
5人に1人は浪人するといわれている昨今の大学受験ですが、この浪人というのは来年度の受験に有利な人たちのように思えますが、実際にはそうではありません。
確かに浪人生は、受験勉強の全範囲を一通り終わらせているので、その点では新高校三年生よりも有利です。これは否定できないですね。
では、その5人に1人の浪人生が、来年度の受験でランキング上位を占めることになるのかというとそうはならないんです。
大学受験は相対評価です。結局は現役生とギリギリの合格ラインを争うことになりますし、少しのミスで不合格になったりするので、最終的には全員が同ような条件で試験を受けることになります。
つまり、浪人生だからと言って有利になることはほとんどない、ということです。
とはいえ、浪人生は学校に行く必要がありませんし、時間もあるし、365日受験勉強に集中できるという恵まれた環境にいるはずです。
なのに現役生と比べて有利になることはないなんて不思議です。
なので今回は浪人生が有利にならない理由を挙げてみました。
浪人生が時間はあるのに有利にならない理由は?
①基礎をガチガチに固めないまま1年を過ごしてしまうから
受験勉強だけでなく、資格試験などのペーパーテストで合格点をとるためには「みんながやっていることをみんなよりも完璧にする」ことが原則です。
「みんながやっていること」というのは、一般的にロングセラーと言われる問題集や参考書の周回などです。最近出たばかりの問題集や誰もやってないようなマニアックな問題集をやっても、合格は遠のいていきます。
なぜならペーパーテストの多くはファインプレーよりもミスをしないことが求められるからです。この「ミスをしない」というのは「みんなができる問題を落とさない」という意味です。もちろんこの「みんなができる問題」というのは志望校の難度によって変わってくるので、そのために志望校別の対策が必要であり、それが問題集や参考書選びの根拠になっていくわけですが。
受験生は志望校の偏差値や過去の問題傾向を根拠にして、合格から逆算して参考書や問題集を選び、映像授業などの学習コンテンツを選択して、インプットをアウトプットを繰り返して勉強を進めていくことになります。
しかしいくら得手不得手などの個体差が激しい人間とはいえ、一人にできる勉強量や記憶力、精神力、体力の限界というものがあります。
例えば英単語ならターゲットをやって速読英単語をやってさらに受験レベルを超えた難単語が載っているマニアックな単語帳をやって、さらに過去問で出てきた見たこともないような単語にまで手を出したり・・・確かに高得点を目指せそうにも見えますが、そこまでやると高確率で、全体的に手薄になります。
つまり基礎がおろそかになり、結果的に試験本番でイージーミスをやらかすことになるんです。
大学入試に限ったことではないですが、ペーパーテストは基礎をガチガチに固めた人がミスをすることなく合格点を取っていきます。
そういう意味では浪人生も現役生を同じように、やるべきことは(最後まで)基礎をガチガチに固めること、固め続けるべきなんですよね。
基礎は繰り返しでしか身に付きません。
浪人生というのは一度受験勉強を最後まで終わらせているし、時間的な余裕も感じているので、「いまさら基礎かよ」「その問題集はもう終わったしな」と、繰り返しを避ける傾向にあるんです。
そして最終的に現役生に追いつかれて、浪人生は彼らとガチンコの勝負をすることになるので、かならずしも有利にはならない、ということですね。
②時間がありすぎて誘惑に勝てなくなる
浪人生は宅浪生はもちろんですが、たとえ予備校生だったとしても現役生よりは時間がありますし、学校教育から一時的に解放されている状態なので、自由を感じる人も多いはずです。
そして今やスマホやタブレット、パソコンなど、勉強道具と遊び道具が一体化したデバイスを持ち歩いているので、そういったものが無かった時代よりもはるかに多い誘惑にさらされているんですよね。
いつでもどこでもゲームができるし、ユーチューブの動画も観ることができます。浪人生って本当に自由なんです。
しかもですよ、もう大学受験の勉強は一通り終わらせているわけですから
「1か月くらい大丈夫じゃね?ちょっと遊んでも」「来月から本気出すわ」
とかいう悪魔のささやきを自らささやくようになる人もいるんですよ。これにハマったらなかなか抜け出すことはできません。
予備校に通っていてもヤル気満々の受験生ばかりではありません。高校を卒業した嬉しさに半分大学生になった気分で予備校に通って、青春を謳歌しているリア充風グループもいるんですよ。
そんな環境の中で自分を見失わずに勉強できる浪人生は間違いなく次は合格を勝ち取れると思いますが、誘惑との戦いに勝ち続ける必要があんです。
まとめ
宅浪生の人は特に自己管理が大変です。もちろん独学で自己管理ができて、順調に成績を上げて合格を勝ち取ることができる人はたしかにいます。でもかなりの少数派です。
自分で立てた完璧と思える計画というものは高確率でうまくいきません。「計画を立てる」というのも立派な能力だからです。たとえ社会人であっても自分で計画をしっかり立てられる人は実は少数派です。それができる人はとんでもない速さで出世していきます。
なので勉強計画を立てるのはやっぱりプロに任せるほうが効率はいいですし成功確率は跳ね上がります。
今なら高額な予備校じゃなくても、ネットで月に数千円~1万円程度でチューターの指導を受けられるコンテンツもあるので、1人で悩んで前に進めないくらいなら利用したほうがいいと思います。